この度は高安能カエパス統合記念といたしまして、八尾・高安にゆかりの演目《弱法師》と《楠露》を2部構成で上演します。
ろうそくの光に浮かぶ幽玄な能の世界を五感でお楽しみください。
楠木正成は、南朝の命により新田義貞のもとへ向かう。そのため、子供の正行を故郷の千早へ帰そうとする。父との別れを拒む正行を命に従う宿命に複雑な思いを馳せながら正成は故事をひき説得する。酒宴がひらかれ、家来の恩地満一は舞を舞い、やがて父と子は涙ながらの今生の別れとなるのだった。
先般復曲をした《八尾(やつお)》と同じく、江戸末期に中世の時代を鑑みる風潮が高まるなかで、そういった題材の能を作られた作品のひとつ。この曲はその中で現行曲として選ばれた珍しい例の曲です。
楠木正成は軍師の手本として、戦前の時代にリスペクトされた人物としても有名です。「判官贔屓」にも等しく窮地な立場を擁護する精神性にも通じる英雄です
能楽の祖のひとり、観阿弥の母が楠木正成の妹という説もあり、特に観世流には馴染みの深い存在です。
主人公、恩地満一は南高安恩智地域ゆかりの人物です。
武士としての境涯を嘆くこと、そして別れがテーマの能ですが、それぞれのキャラクターの個性がわかりやすく描かれて、心に刻まれる曲と思います。
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